眼精疲労・眼瞼痙攣
目の疲れが続いて肩こりや頭痛がしたり、まぶたがピクピクとけいれんして止まらなかったりといった症状はありませんか?単なる疲れ目と思っていた症状の裏に、思わぬ疾患が隠れていることもあります。
この記事では、眼精疲労や眼瞼痙攣の症状や原因、治療法についてわかりやすく解説しています。
眼精疲労とは
眼精疲労とは、目を使う作業を長時間かつ長期間続けた結果、目の疲れだけでなく、肩こりや頭痛、倦怠感など全身に不調が現れ、休息や睡眠をとっても十分に回復しない状態を指します。
ピントを調節する筋肉「毛様体筋(もうようたいきん)」は、自律神経によって支配されているため、目を酷使するとこの筋肉が疲弊し、自律神経のバランスが崩れて、全身に症状が及ぶと考えられています。現代人の生活スタイルと深く関係しているため、注意が必要です。
眼精疲労の症状
眼精疲労は、視覚を使う作業を長時間行うことや生活習慣、身体的・精神的ストレスなど、複数の要因が絡み合って発症します。特徴的なのは、単なる目の疲れと異なり、目だけでなく全身にも症状が現れる点です。
眼精疲労による目の症状
眼精疲労によって現れる目の症状には、以下のようなものがあります。
- 目がかすむ
- 目がぼやける
- 目が乾く
- 目がしょぼしょぼする
- まぶたが痙攣(けいれん)する
- まぶたが重い
- 目が充血する
- まぶしさを感じる
- まぶしさを感じる
- 目の中が痛い
- 目の充血
- 涙が出る
視界がぼやけたり、ピントが合いにくくなったりすることも多く、まばたきの回数が減ることでドライアイの症状が悪化するケースもあります。目を開けていること自体がつらくなることもあります。
眼精疲労による身体の症状
眼精疲労によって現れる身体の症状には、以下のようなものがあります。
- 頭痛がする
- 肩や首がこる
- 倦怠感(けだるさ)を感じる
- 吐き気を感じる
- めまいがする
- イライラする
- 集中力が低下する
眼精疲労が続くと、全身に不調を引き起こします。とくに長時間のデスクワークやスマートフォン操作による姿勢の悪化や自律神経の乱れが、こうした症状を助長します。
眼精疲労の原因
眼精疲労は、ひとつの原因ではなく、いくつもの要因が複雑に絡み合って起こると考えられています。
主に考えられる原因として、以下のようなものがあります。
- スマホの長時間利用
- VDT症候群
- 合わないメガネ、コンタクトレンズの使用
- ドライアイ
- 身体や心の疾患
VDT症候群とは
パソコンなどのディスプレイ画面を使ったVDT(Visual Display Terminal)作業に関連して生じる障害の総称。VDT症候群は、現代人の眼精疲労の大きな原因となっています。VDT作業を長時間続けると、画面にピントを合わせるために毛様体筋が緊張し続けることで、目に疲れが生じます。また、まばたきの回数が減ることで涙の蒸発量が増えたり、新しい涙の供給量が減ったりすることで、ドライアイにつながります。
眼精疲労の治療
眼精疲労の治療では、まず原因を特定し、それを取り除くことが基本です。パソコンやスマートフォンの長時間使用が原因であれば、定期的に休憩を取り、目を休める工夫が必要となります。
メガネやコンタクトの度数が合っていないことが原因となっているケースも多く、隠れ斜視があるケースもあります。定期的に視力検査をして、必要に応じて視力に合ったものに作り直しましょう。
症状が強い場合には、ビタミン剤を含む点眼薬や内服薬での治療を行います。症状が軽くなったからといって薬を中止せず、医師の指導に応じて薬を使用しましょう。
また、白内障や緑内障といった目の病気が隠れている場合もあります。その場合は、疾患に応じた専門的治療が必要です。眼精疲労は現代のライフスタイルと密接に関係しており、完全に避けることは難しいものですが、こまめな休息を習慣にし、目の疲れと上手に付き合っていくことが大切です。
眼瞼痙攣とは
眼瞼痙攣(がんけんけいれん)とは、自分の意思とは関係なくまぶたがぴくぴくと動いたり、勝手に閉じてしまったりする状態を指します。
とくに40~50歳以降の女性に多く、男性の約2.5倍の発症率とされています。一見してわかりづらい軽症の方も含めると、日本国内で少なくとも30~50万人以上の患者がいると推定されています。
場合によっては片目しか目をあけられなかったり、まぶたが重くて指を使わないと目を開けられない、といった日常生活に支障をきたすこともありますが、ほとんどの場合は症状に気づきにくく、見逃されることも少なくありません。
眼瞼痙攣の症状
眼瞼痙攣の主な症状には、以下のようなものがあります。
- 光がまぶしく感じる
- 目を閉じていた方が楽
- 目が乾く
- 無意識にまぶたが閉じてしまう
- まぶたが下がる
- 目がゴロゴロする
- 異物感がある
- 違和感がありうっとおしい感じがする
- 目の周囲が動く
初期には軽いまぶしさやちょっとした違和感といった症状が中心ですが、進行すると自分の意思ではまぶたを開けることができず、日常生活に支障をきたす重い状態に至ることもあります。
見た目には分かりにくいため、周囲に理解されにくく、患者さんの心理的な負担になることも。早めの診断と治療が重要です。
眼瞼痙攣の原因
眼瞼痙攣の原因については、現在のところはっきりとは解明されていません。
脳の一部、特にまぶたの開閉を司る神経伝達系に何らかの異常があるのではないかと考えられていますが、決定的な原因を示す論文や診断基準は世界的にも確立されていません。
ストレスや疲労、ドライアイ、抗うつ薬や睡眠薬などの薬剤使用が誘因となることもありますが、必ずしも全例に当てはまるわけではありません。
眼瞼痙攣の治療
眼瞼痙攣の治療は、大きく分けて2つあります。
ひとつは「ボツリヌス毒素注射」による治療で、まぶたの動きを抑える方法です。
もうひとつは外科的な「手術療法」で、症状のタイプに応じて適応が判断されます。
適していると判断した場合は、信頼できる専門の医療機関をご紹介させていただきますので、ご安心ください。
ボツリヌス毒素注射
眼瞼痙攣の第一選択肢として広く用いられているのが、ボツリヌス毒素注射(ボトックス治療)です。
この治療は、まぶたを閉じる筋肉である「眼輪筋(がんりんきん)」の動きを一時的に弱め、まぶたの不随意な動きを抑える方法です。効果は通常、注射の翌日から数日以内に現れ、3〜6カ月程度持続します。
データによると、80〜90%の患者さんに症状改善が見られ、注射を繰り返すことで15〜20%の方が注射を必要としなくなるといわれています。施術は外来で短時間で行え、副作用も少ないため、多くの患者さんにとって有効で安全な治療法とされています。
手術
眼瞼痙攣に対する手術は、症状のタイプに応じて選択されます。
主に「強直型(まぶたを閉じたまま開けられないタイプ)」と「間代型(まぶたがピクピクとけいれんするタイプ)」に分けられ、それぞれに適した手術方法があります。
強直型にはADM手術、間代型には眼輪筋の一部を切除する眼輪筋切除術が有効とされています。ただし、いずれの手術もすべての患者さんで「必ず治る」と言い切れるものではありません。医師と十分に相談し、慎重に判断する必要があります。
お問い合わせはこちら

上村 文
Aya Uemura大学病院レベルの最新設備を備え、地域の皆様に安心して受診いただける“かかりつけ眼科”を目指しております。一般的な眼科診療から高度な治療まで幅広く対応し、患者様に寄り添った医療を大切にしています。 また、学校医として、地域の子どもたちの目の健康にも力を入れております。
医師について詳しく