霰粒腫・麦粒腫
まぶたの腫れや痛み、しこりなどが現れる「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」や「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」は、多くの人が一度は経験する可能性のある目の病気です。「ものもらい」や「めいぼ」と呼ばれることもあり、どちらも似たような症状があるため混同されがちです。この記事では、霰粒腫と麦粒腫の症状や原因、治療法について解説しています。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)とは
霰粒腫とは、まぶたにある脂の分泌腺「マイボーム腺」の出口が詰まり、炎症が起きることで、肉芽腫(にくがしゅ)という塊ができる病気です。
まぶたの中に小さくて硬いしこりができるのが特徴で、初期は赤みや痛みを伴うこともありますが、進行すると痛みのない腫瘤となることが多いです。炎症は無菌性のため、人にうつる病気ではありません。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の症状
- まぶたの腫れ
- 異物感や違和感
- 痛みのないしこり
- 視界がぼやける
- 目がかすむ
霰粒腫の症状は、はじめはまぶたの軽い腫れや違和感として現れます。この腫れは数日で落ち着きますが、代わりに「痛みのない丸いしこり」が目立つようになります。このしこりは通常、発症から1週間ほどかけてゆっくりと大きくなっていく傾向があり、まれに眼球を圧迫して視界がぼやける、かすむなどの症状が出ることもあります。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の原因
霰粒腫の原因は、マイボーム腺と呼ばれる脂腺の詰まりです。
この詰まりには、日常生活のさまざまな要因が関係しています。たとえば油分の多い偏った食事や不規則な生活、ホルモンバランスの乱れ、ストレスなどが影響するほか、アイラインやマスカラなどの化粧品がマイボーム腺の出口をふさいでしまうこともあります。
霰粒腫は1回しかならない方もいれば、何度も繰り返しやすい体質の方もいます。
霰粒腫(さんりゅうしゅ)の治療法
霰粒腫は、炎症が軽度であれば2〜8週間程度で自然に吸収されることもありますが、多くの場合、治療が必要になります。
赤みや痛みを伴う場合には、抗菌薬の点眼を使用して炎症を抑えます。しこりだけが残っている場合には、ステロイドの点眼薬や軟膏を用いて、しこりの縮小や吸収を促します。
ただし、ステロイド治療を続けても消失しないことも多く、数ヶ月間様子を見ても改善が見られない場合は、外科的な処置が選択されることもあります。悪化を防ぐためにも、症状を自己判断せず、なるべく早い段階でご相談ください。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)とは
麦粒腫は、「ものもらい」や「めばちこ」とも呼ばれる、まぶたの急性炎症性疾患です。
正式には「麦粒腫」と呼ばれます。ものもらいという呼び名から人にうつると思われがちですが、皮膚表面に常在する菌が原因のため、人にうつる感染症ではないです。
まぶたの外側にできる「外麦粒腫」と、まぶたの内側にできる「内麦粒腫」とに分類されます。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)の症状
- まぶたのかゆみ
- 目の違和感
- 充血
- 腫れ
- 目やに
- まぶたに膿がたまる
麦粒腫の初期症状には、まぶたのかゆみや軽い違和感があり、その後すぐに赤みや腫れが出てきます。
まばたきや触れた際に痛みを感じるのが特徴で、進行するとまぶた全体が腫れて重く感じたり、目やにが増えたりすることもあります。また、目がゴロゴロする異物感や、眼球の充血などがあらわれることもあります。
自然に膿が出て腫れが引いていくケースもありますが、自己判断で放置すると重症化してしまうことも少なくありません。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)の原因
麦粒腫は、まぶたに存在する毛包やマイボーム腺にブドウ球菌などの細菌が感染することで発症します。
勘違いされている方も多いですが、人から人へ感染して起こるのではなく、人の肌にもともといる常在菌(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌)が原因で起こります。
免疫力が低下している人がかかりやすいとされているため、疲労の蓄積や寝不足など体調不良時に起こりやすい傾向があります。高温多湿の環境では細菌が繁殖しやすくなるため、夏場はとくに注意が必要です。
また、目をこするクセや不衛生な手での接触、クレンジング不十分なアイメイクや汚れたコンタクトレンズの使用も感染リスクを高める要因となります。
麦粒腫(ばくりゅうしゅ)の治療法
麦粒腫は、初期の段階であればまぶたを清潔に保つことで自然に治ることもあります。しかし、痛みやまぶたの腫れ、目やにが出る場合は眼科での治療が必要です。
眼科では、抗生物質の点眼薬が処方され、5日〜1週間程度で治ることがほとんどです。炎症が強い場合には、点眼薬に加えて内服の抗生物質を併用することもあります。
また、膿がたまっていることが診察で確認された場合は、医師が小さな切開を加えて膿を排出する「切開排膿」という処置を行うこともあります。自己判断で膿を出そうとするのは非常に危険なため、必ず医師の判断のもとで安全な処置を受けることが大切です。
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上村 文
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