網膜硝子体疾患

網膜硝子体疾患とは

眼球はよくカメラに例えられ、フィルムに相当するのが網膜です。

網膜には黒目を通して入った光が当たり、その情報が視神経を通じて脳へ伝わることで「見る」ことができる仕組みになっています。一方、硝子体は透明なゼリー状の組織で、眼球の形を保つとともに、網膜へ光を届ける働きを担っています。

加齢や疾患、ケガなどの影響で網膜や硝子体に異常が生じ、視力低下や視野欠損、歪みなどが起こる状態「網膜硝子体疾患」といいます。代表的な疾患には黄斑変性、糖尿病網膜症、網膜剥離、黄斑円孔、黄斑上膜、網膜静脈閉塞症などがあり、視機能へ深刻な影響を及ぼす可能性があります。早期発見と適切な治療が何より重要です。

網膜の中で特に大切な黄斑について

網膜の中央に位置する「黄斑(おうはん)」は、物を見る際に最も重要な部位です。読書や細かい作業、色の識別など、私たちが日常的に使う視力の大半はこの黄斑によって支えられており、視力全体の70〜80%を担っているといわれます。

そのため黄斑が傷害を受けると、「はっきり見えない」「ゆがんで見える」「色が変わって見える」などの視覚異常が起こり、生活の質に大きく影響を及ぼします。

網膜硝子体疾患が疑われる主な症状

  • 加齢黄斑変性
  • 糖尿病網膜症
  • 網膜剥離
  • 黄斑円孔
  • 黄斑前膜
  • 網膜静脈閉塞症

加齢黄斑変性

加齢黄斑変性とは、黄斑部が加齢に伴って、出血や浮腫(むくみ)を起こすことで視力が低下する病気です。

視力が急激に低下し、物が歪んで見えたり、視野の中心が暗く見える「暗点」が発生しますが、完全に何も見えなくなることはありません。

加齢黄斑変性は欧米では成人の失明原因の第1位であり、日本でも近年増加傾向にあり失明原因の第4位とされています。

症状

歪んで見える、中心暗点、視力低下

治療法

硝子体注射(抗VEGF治療)、光線力学療法(PDT)など

糖尿病網膜症

糖尿病網膜症とは、糖尿病が原因で網膜の血管が傷つき、視力が低下する病気です。

日本における中途失明原因の第2位で、年間3000人の方が糖尿病が原因で失明しています。糖尿病の場合、血液中の糖が多いため固まりやすい状態になっており、網膜の血管がつまったり、出血したりすることによって発症します。

糖尿病網膜症は病状の進行状態によって、単純糖尿病網膜症前増殖糖尿病網膜症増殖糖尿病網膜症に分けられます。自覚症状が出にくいため放置していると、突然目が見えなくなったり、目の前が真っ暗になってしまった、ということになりかねないため注意が必要です。

症状

視力低下、飛蚊症、暗点

治療法

網膜光凝固術(レーザー治療)、硝子体注射(抗VEGF治療)硝子体手術

網膜剥離(もうまくはくり)

網膜剥離とは、「網膜」という薄い膜の一部が剥がれてしまい、視力や視野に障害を引き起こす病気です。

網膜が剥がれても痛みを感じることはありませんが、硝子体に混濁が起こり黒い点や蚊が飛んでいるように見える「飛蚊症」や、視界の中心や端に光が見えたりチカチカしたりする「光視症」という症状現れます。

治療せずに放置すると、網膜が徐々に剥がれていき、最終的には失明に至る病気です。

症状

飛蚊症、光視症、視野欠損(視野がかける)

治療法

網膜光凝固術(レーザー治療)、硝子体手術、強膜内陥術、網膜復位術など

黄斑円孔(おうはんえんこう)

黄斑円孔は、網膜の中心部である黄斑に小さな穴が開き、視力低下を起こす病気です。

原因は、加齢に伴う硝子体の収縮により、黄斑が強く引っ張られることです。50歳以上の中高年に多く、女性が男性より2〜3倍の確率で発症します。

また、高齢者や強度近視の人もリスクが高まります。自然回復は稀であり、進行すると手術が必要になる病気です。

症状

中心暗点、歪んで見える

治療法

硝子体手術(円孔を塞ぐ)

黄斑上膜・黄斑前膜

黄斑上膜(黄斑前膜)とは、黄斑表面に薄い膜が張り、視力が低下する病気です。

原因は、加齢によって硝子体が収縮する際に、硝子体の一部が網膜表面に残ってしまい、これが分厚くなり膜状に変化することで起こります。

軽度では無症状のこともありますが、進行すると膜が収縮し、網膜にしわが生じて視力低下やゆがみ(変視)が現れます。特に読書や細かい作業に影響が出やすく、視覚的な違和感が日常生活に支障をきたす場合もあります。

症状

ゆがみ、視力低下、読書や細かい作業の困難

治療法

硝子体手術(膜の除去)

網膜静脈閉塞症

網膜静脈閉塞症とは、網膜内の血管が詰まり、血の巡りが悪くなることで、網膜に出血を起こす病気です。

特に黄斑部に出血が起こると、視力低下や視野異常などの症状が現れます。黄斑部にむくみ(黄斑浮腫)ができることもあります。黄斑浮腫が起こると、視界に歪みが出たり、左右で見えるものの大きさや色が違って見えたりします。

動脈硬化が原因の一つに挙げられ、高齢者や高血圧・糖尿病などの全身疾患を持つ若年者に発症しやすいです。

症状

ゆがみ、視力低下、視野以上、左右で見えるものの大きさや色が違う

治療法

硝子体手術硝子体注射(抗VEGF治療)、網膜光凝固術(レーザー治療)

上村 文 足立慶友眼科 院長

上村 文

Aya Uemura

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